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2024年度ヴルカヌス・イン・ヨーロッパを辞退した話

元々私も応募しよう!と決断した際、検索し出てきた様々な体験記にお世話になったので、私も便乗しようと思い書いてみます。

 

とは言いつつタイトルにある通り辞退(?)(※後述します)してしまうのですが…

 

 

【注】年度によって、変更事項がある可能性もあるので応募年度の募集要項はしっかり確認するようにしてください。

 

  • ヴルカヌス・イン・ヨーロッパとは

簡単に言うと理工系学生のための有給インターンです。

 

詳しい内容は以下のHPを見てみてください。

www.eu-japan.eu

 

簡単にまとめると…

・内容:語学研修+欧州企業でインターン
・対象:日本の理工系大学生・大学院生(学部3年以上)
・期間:1年間
・費用:実費は不明(語学研修中のサポートは全てついている、インターン中は総額6000ユーロくらい補助がもらえる)
・要件:TOEFL iBT70点以上/TOEIC650点以上

*1

 

1年間の長期間かつ金銭面殆ど全てサポートしてくれるこんなに贅沢な留学プログラム他にないですね。

 

語学条件も、TOEIC650点以上と(TOEFLiBT70点と明らかに釣り合わない気もするけど…)

高スコアを求められることが多い長期留学と比べるとかなり挑戦しやすいのではないでしょうか。

こんなにも好条件かつ割とハードルも低めな条件下ということで、倍率もかなり高いのではないか…?と思われると思いますが、実際の応募人数と合格者の人数は公表されていません。参考までに、私が応募した代(2024年度)は、二次審査段階で35人、最終審査である三次審査で20名程度*2まで絞られるとのことでした。

 

次に私の簡単な経歴についてご説明します。

  • 自分の経歴

・当時:修士1年生
・専攻:医工学系(研究室は情報寄り)
インターン経験:長期医療系スタートアップインターン1年程度
・バイト:塾・イベントスタッフ
・語学力:TOEIC: 890 IELTS: 6.0

語学力に関しては、大学院試験の際に提出したスコアのままで特に新たに受けることなく特攻しました。今思うと、そこまで重要視されているような印象ではありませんでした。

  • 一次審査

一次審査に向けて、準備するものとしては、

  1. 応募申込書
  2. 教授等の推薦状(日本語&英語)
  3. 小論文(日本語&英語)
  4. 英語資格スコアシート
  5. 成績証明書(日本語&英語)

です。

推薦状

推薦状に関しては、直筆である必要がないので、前指導教員と1か月前にコンタクトを取り、添削を繰り返し仕上げました。推薦状の作成方法に関しては、教員によってやり方が異なると思うので、各指導教員に聞いてみるとよいと思います。

私は以前、奨学金申請時に同様にお願いしたところ、予め下書きを自分である程度書いてきてほしいと言われたので今回も同様に前もって書いてから、お願いしました。

一見面倒に思えますが、先生の意図としては、本人がやってきたことなどアピールポイントについて書き漏れがないようにしたいがためだと聞いて納得しました。

小論文

小論分に関する詳細は以下の通りです。

日本語は1,000-1,200字 ・以下3つの内容をすべて含むこと

① プログラム参加志望理由

② 大学・大学院・高専での専門分野について

③ 受入企業に対して自分が貢献できることは何か 

 

志望理由もそうですが、特に⓷の貢献できる内容について具体的な記載があるとよいです。この点について、学部生は院生よりも書けることは少ないと思いますが、院生よりもポテンシャル採用な面があるように思えます。ただ、以下の通りに通達され、企業側としてもUndergraduate level かMaster levelまで求めるかは指示があるので注意が必要です。具体的な指示内容は以下の通りです。

【企業を選択する際の注意点】
「専門分野が異なり企業の求める専門分野の知識はないが挑戦してみたい」等の理由では、たとえ意欲があっても企業の求める資質には至らないでしょう。企業側にとっても、皆さんにとってもいい研修となりません。専門分野が 100%合致するのはもちろん難しいと思いますが、できる限りご自分の専門を活かせる企業を選択してください。企業が提供する研修内容の中で、いかに自分の専門性や知識を活かせるか、企業の求めるレベルに合うか、というマッチング性は非常に重要です。また、各国のビザ・各種許可申請時に、専攻が企業の研修内容に合っているか、証拠書類を求められる国もあります。  

  • 二次審査

二次審査は、面接官3人(日本人2名・外国人1名)とのオンライン面接でした。

所要時間はあまり覚えていないのですが確か30min~1h程度だったと思います。

はじめに、3分程度の自己紹介をしてから外国人の面接官から英問英答の質問をされました。その後、日本人の面接官からいくつか日本語で質問され、日本語で答えました。

質問内容は以下の通りです。

 

英問英答

  1. ブルカヌスがどのようにキャリアに役立つか
  2. ヨーロッパについて知っていることは
  3. ヨーロッパに住むことへの不安はあるか、どう乗り越えるつもりか

日本語

  1. 今の研究概要について(結構深掘り)
  2. 志望書にはドイツに関して書いてあるがその志望通りにいかなかったらどうするか
  3. 趣味について その趣味を始めるに至った経緯
  4. 今後の進路について

 

3の趣味についてがとても不思議ですが、一次審査時の応募申込書欄に趣味を記載するところがあっていつも通り、一眼レフを用いた写真撮影、夜景巡り、模写、楽器演奏(ドラム・ピアノ)etc…なんてつらつら書いてたら案の定突っ込まれました。自業自得(?)ですね。

英問英答は、抵抗がある方もいるとは思いますが、分からなければ聞き返せばいいですし、英語自体の能力を見ているというよりかは、どのように対処できるか、その忍耐力を見ている気がします。何せ、英語すらワンチャン通じない異国の地で1年間働いて過ごす割と過酷な環境下に置かれるわけですからね…

  • 三次審査

ここまでくるとあとは企業とのタイマンですね。第3志望まで記入をしますが、この志望順というのは正直関係なくて、早く連絡が来た企業から選考が始まり、早く結果が出た企業に行かなければなりません。この際、基本的には(?)辞退不可能です。後程お話ししますが、この点が結構厄介でこのまま選考に進み、参加するかどうかとても悩みました。私は、Artificial Intelligence, Computer Science, Geoscience, Physics, or related discipline系のFranceの某企業から連絡が来たのでZoomで面接を行いました。

 

 

企業によると思いますが、聞かれた内容としては

  1. 志望理由
  2. 研究内容
  3. どのようなツールを使っているか
  4. 今後の進路はどう考えているか

ざっくり分けるとこんな感じです。3についてはプログラミング言語の使用ライブラリなど、詳しく聞かれたのでしっかり準備していくことをおすすめします。

 

正直、この時点で志望度が高くなかったため、後半は意図的にかなり曖昧に答えてしまったので、落ちて当然だったかなと思います。結果として不合格≒辞退として終えました。

  • 注意点

ここで私が今回辞退するに至った経緯をお話しします。

応募するまでどんな企業があるか分からない

一次審査に応募するまで、どんな企業が参加しているかブラックボックス状態です。募集要項では、ある程度の分野は記載がある者の具体的なところまでは全く分かりません。何なら、第三次審査まで渡航できるか分からないところもありますからね…これは国それぞれの特徴が出ていて面白いまであります(達観)。

人によっては、使えるスキルが多少被っていればいいという方もいますが、私は修士1年ということもあり、自身の専門性を高めることをしたかったので、異なる領域で1年過ごすのは抵抗感がありました。

ですので、特定の分野でしか働きたくない!という方は慎重に吟味しましょう。

渡航できる国が限られる

 私は元々自身の分野的にイタリアの企業に行きたかったのですが、以下のような制限があり、当時唖然とした記憶があります。

イタリアは、お住まいの県(=住民票に記載されている住所)によって、ビザ申請場所が異なります。
静岡県より東に在住の方は東京の大使館にてビザ申請、愛知県より西にお住いの方は、大阪の総領事館にて申請します。ビザ申請時に求められる住民票は、特に東京の大使館では、現住所=住民票に記載の住所 であることが必須で、現時点で住民票住所が現住所と異なる方(現住所に住民票を移していない方)はビザが発給されない可能性があります。また、企業に提出する CV も住民票住所でなければなりません。

●●企業の州は、愛知県より西に在住者のみ、且つ B3 以上。またヴルカヌス・
プログラム参加時からインターンが修了する 2025 年 3 月中旬まで在学していることが条件です。その他は現在調査中です。
●●企業の州は、愛知県より西に在住者のみ。

……………は?いやいやいやいや

つまりは、東北・関東に住んでいる人は希望すらできないということです。流石にないなと思い、念のため、問い合わせましたが、領事館の関係で難しいようです。

 

スケジュールがとにかくタイト

一次審査を通過すると1か月の間で最終審査まで進むのでとにかく忙しいです。その間で企業に提出するCVとMotivation Letter等を完成させなければなりません。そのため、ある程度志望する企業は決めて事前に作成しておくことをお勧めします。

また、第三志望まで記入できますが、3つ出した場合、3つMotivation Letterを書かないといけないのでより注意です。

 

最後に

後半、結構ズタボロに言ってしまいましたが、冒頭に言ったようにここまで金銭的に支援してくれる1年間のプログラムは少ないので海外インターンに興味のある方には絶好のチャンスだと思います。

 

かなりざっくりした説明になりましたが参考になれば嬉しいです!

ご連絡頂ければご質問にお答えしますので気兼ねなくどうぞ!